三味線のジャンルと特徴
ひとくちに三味線と言っても、実に様々なジャンルがあって、三味線や撥のの大きさも色々です…
というのは、三味線一般を説明するときの常套句になっています。
それぞれをじっくり聞き比べるチャンスも、時間も、お金もない、となれば、いったいどのジャンルが一番初心者に向いているのでしょう?
結論から言えば、どのジャンル選んだとしても、「ピアノをやるか、バイオリンをやるか」ほどの大差はありません。
ジャンルが違って、楽器が違うといっても、それは三味線音楽の中で比較した場合であって、普段耳慣れしていない方が聴けば、津軽三味線も長唄三味線も、そう大きく違いは分からないでしょう。
演奏技術の面でも、共通項はたくさんあります。
ですので、三味線を始めるにあたって、過剰にジャンルにこだわる必要もないと思います。
例えば、「小唄・端唄」から始めれば、弾き語り(三味線の場合は弾き唄いという)のスキルが先行して身に付きます。
「津軽」であれば、鮮やかな左手のハジキの技法と、曲弾きのノウハウが。
「民謡」は、そのレパートリーの豊富さと、曲の馴染み安さでしょう。
「地唄」は、同じ稽古場で箏(こと)も一緒に学ぶことができ、合奏も楽しむことができます。
当教室では、「長唄」を教材として主に使いますが、五線譜からの変換が早い段階で習得できるので、教科書の曲や、ポップスなどいろいろ用います。
「長唄」の特長は、右手(撥さばき)の鮮やかな技法でしょう。三味線音楽の中でも、最も小さいサイズの撥を用い(※新内の小撥を除く)、歌舞伎のメイン伴奏楽として発展して来ただけに、高度なリズム感が要求されます。
ともあれ、ジャンルにとらわれず、身近なところで三味線を触れるチャンスがあれば、是非チャレンジしてみてください。
hozumi