ネットオークションと三味線

最近、ネットオークション(Yahoo!オークションや楽天オークション)で、三味線がよく出品されています。
電化製品やCD・書籍といったある程度均質なものであれば、オークションで購入するのもお得ですし、なかなか掘り出し物もあるでしょうが、三味線のような天然素材をつかったものを掲載されているデジカメ画像だけで見極めるのは非常に難しいです。(普段三味線を扱っている人間でも、かなり困難です)
その理由として、
■棹の反り・曲りは写真で判断できない
古い三味線の場合、棹が反ったり曲がってきますが、写真で分からない程度の反りがあるだけで、演奏できないこともあります。(棹の反り・曲りは、専門家が目で確認しない限り判別できません)
■皮の破れアリ/無しは分かっても、皮の経過年数は胴の内側に書かれているため、素人では確認できない
皮の破れアリ/無しでもだいぶオークションの落札価格は変わってきます。しかし、犬皮の場合10年以上破れずに持つこともあります(緩めに張った場合)。ただ年月が超過した皮では、非常に音が悪く、結局交換しなければならない場合があります。
■にかわによる接着、修理は素人では困難
三味線の接合部分には、「にかわ」という接着剤が使われています。にかわは、接着力が強いですが、熱と衝撃に弱い特性を持っています。つまり、三味線に強い衝撃が加えられても、棹が折れずに各部品が外れることで破損しないような構造になっているわけです。この「にかわ」が古くなっていたり、はがれかかった状態ですと、素人が個人で修理することができません。アロンアルファで接着してしまうと、破損から守る構造が機能しないばかりか、二度と接合部を外せなくなってしまいます。
■梱包と発送の問題
三味線にハードケースが付属されていればいいですが、そうでない場合、段ボールに正しく梱包するのはなかなか難しい作業です。棹を組み合わせる「ほぞ」という部分は非常に細くて破損しやすいのですが、この部分が折れてしまうと棹を組み合わせることができなくなってしまいます。仮にオークション落札時には良好な状態でも、運送時の破損リスクがあることを把握しておく必要があります。
上記のような理由から、1万円以上支払ってオークションの三味線を購入することはまずあり得ません。掲載写真や質問回答、出品者の説明だけでは判断できないリスク要因がたくさんあるためです。また、皮が破けている場合には、「タダ」以外は考えられません(皮片面を張替えるだけで1万円以上の費用がかかります)。
例えば、以下の写真は、ほとんど購入価値の無い三味線なのですが、画像からその理由がお分かりでしょうか(楽器に全く破損は無く、普通に演奏することができます):
■三味線全体
auction_syami1.jpg
■天神・棹部分
auction_syami2.jpg
■胴部分
auction_syami3.jpg
hozumi

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です