撥のスピードと運動2

前回のコラム「撥のスピードと運動」の続きです。
肩や腕の大きな筋肉を使って撥をスイングする、といってもどうやって実践するかが難しいところです。文字だけで解説するのには多少無理がありますが、ポイントを挙げてみますと:
1.背筋を伸ばし、肩をなるべく高い位置になるように(姿勢よく)座る
2.肘をあまり曲げすぎず(伸びきってもいけない)、手首-肘-肩が自然なラインになるようにする
3.右腕の外側ではなく、右腕の内側の筋肉を使って撥を振る
例えば1.のポイントで、背筋が丸まっていると、肩こりの原因となるだけでなく、手首から先だけが駆動し、他の筋肉をコントロールすることができなくなります。
また、2.と3.のポイントは、相互関係があり、肘を張って(外側に大きく曲げて)弾く姿勢ですと、手の甲から右腕の外側の筋肉が使われてしまいます。力こぶができるところを考えても分かるように、腕の外側は骨に対して筋肉量が少なく、内側に大きな筋肉がついています。このため、腕の外側の筋肉の方がどうしても疲れやすくなりますし、大きな運動につながりません。
感覚的に捉えると、首筋から(撥を持つ)右手の親指にかけて、腕の内側に沿ってワイヤーが通っている感じです。撥のスイングを、この長いワイヤーでコントロールしている感じがつかめると、腕全体を使った大きなスイングに近づいてきます。
三味線を初めて持ったばかりの初心者には、逆に「手首のスイングだけ」で撥を動かすように指導します。これは、初心者が陥りやすい「全身の筋肉の硬直(いわゆる体が固まっている状態)」を和らげ、運動を単純化することで、撥先のブレを少なくし、まずは糸の位置関係を体に覚えこませるためです。
初級者から中級者、上級者を目指すにあたっては、この「手首のスイングだけ」の運動から「腕全体」⇒「上半身全体」へと大きな運動に変えていくことが必要です。こうすることで、「りきみ」のない、しなやかで大きな演奏へとつながっていくのです。
いやいや読み返してみると文字ばっかりで頭が痛くなってしまいますね。
今後はいろいろ写真なども採り入れてみようと思います。

YouTube動画でも三味線の演奏方法について解説しておりますので、合わせてご活用ください。

撥のスピードと運動2” に対して2件のコメントがあります。

  1. kohdai より:

    なるほど、勉強になります、笑。
    このブログ知りませんでしたー。linkしても大丈夫ですか?

  2. hozumi より:

    リンク大歓迎でございます。
    しかし・・・読み返すと文字ばっかりで頭痛くなりますね。携帯から投稿していることが多いのですが、私のSoftbank携帯からですと、写真投稿がなぜかはじかれてしまいます。
    本当は写真をところどころにいれて、見やすく・分かりやすくしたいんですけどね。

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