オンライン配信公演
杵屋正邦作品撰「待春」

毎年夏、広島県神石高原町で15年連続でゲスト出演させていただいているコンサートが新型コロナウイルスの感染拡大により中止となってしまいました。予定していた演目をオンライン配信の形で神石の皆さま、そして全国の皆さまへお届けいたします。

コンサート全体のアーカイブ映像につきましては、10月11日(金)の22時をもちまして、一般公開を終了いたしました。9日18時の開演から3日間で、のべ800名近い方にご視聴いただきました。本当にありがとうございました。

【追加更新情報】

YouTube同時配信による小編成コンサートを行う参考情報として、今回の配信ノウハウや、機材構成などをまとめたレポートをアップしました。同様の公演や発表会を行う方の参考となれば幸いです。

日時・会場

2020年10月9日(金)
18:00開演(17:30開場)

代々木上原 ムジカーザ
入場料:3,000円(25席限定)
※YouTubeライブ配信は無料でご覧いただけます。

出演者

主催・出演:穂積大志(三味線)

三味線演奏家・長唄三味線方(東音穂積大志)
福島県福島市出身、上智大学卒、東京芸大別科卒。長唄三味線・現代三味線を杵屋五司郎氏に師事、地歌三絃を瀧澤憲一氏に師事。NHK邦楽オーディション合格、長唄東音会に所属。NPO日本音楽集団の海外公演メンバーとして、ブラジル・イギリス・アメリカ3都市ツアー・インドネシア公演に出演。インドネシア公演では派遣団長を務める。
くまもと全国邦楽コンクール優秀賞(杵屋正邦作曲「去来」)。「志の輔らくご in PARCO」2011、2014、2015、2016年出演。

 

ゲスト出演:帯名久仁子(箏)

島根県津和野町出身。東京藝術大学邦楽科・同大学院音楽研究科修了。NHK邦楽技能者育成会卒業。箏とギターのユニットAKI&KUNIKOとしてヨーロッパでCDデビュー、世界各地で公演を行う。宮城合奏団団員。箏曲宮城社大師範。ことのね会主宰。出雲芸術アカデミー音楽院客員教授。東京藝術大学音楽学部邦楽科講師。

ゲスト出演:阪口夕山(尺八)

1957年大阪府生まれ。都山流尺八を中村希山氏、普化尺八を三橋貴風氏に師事。
第4回長谷検校全国邦楽コンクールにおいて、尺八部門第1位優秀賞を受賞。第7・8回同コンクール奨励賞を連続受賞。
平成28年(第71回)文化庁芸術祭優秀賞を受賞。NHK邦楽オーディション合格。日本音楽集団団員。甲南大学邦楽研究会顧問。

演奏曲目

1.三絃独奏曲「去来」(1967年)

2.箏三絃二重奏曲(1961年)

3.尺八・三絃二重奏曲「明鏡」(1975年)

4.三曲「待春」(1984年)

本公演で採り上げる杵屋正邦氏(1914-1996)は、現在、NHKの連続テレビ小説で話題の古関裕而氏(1909-1989)と同世代の作曲家で、ともに、戦争に従軍した経験を持ち、コロムビアの専属作曲家として、戦後のラジオ・テレビ、大衆演劇や放送、歌舞伎など、大衆に愛される音楽を多数残しました。

古関氏の5千作品というのも驚異的ですが、正邦氏の作品数千余曲というのも、大半が芸術音楽作品であったことを考えると、世界にも類を見ない、多産の作曲家であったと言えるでしょう。

1.三絃独奏曲「去来」(1967年)

静・動・静・動・動・静。大別して六つの部分から成る。心をよぎるさまざまな思いを三絃の伝統的手法を通して表現しようとしたもので、強弱、遅速を問わず、いずれの節調にも、三味線音楽特有の緊張感が期待される。(作曲者解説)

2006年5月、第12回長谷検校記念・くまもと全国邦楽コンクールにて、優秀賞を受賞。同日、熊本城内細川刑部邸で行われた受賞者コンサート出演。翌年2007年には、同曲の演奏でNHK邦楽オーディションに合格。
それから14年が経ち、改めて今「心をよぎる(去来する)さまざまな思い」を、この撥に込めて表現したい。

2.箏三絃二重奏曲(1961年)

三絃と箏という二つの伝統的邦楽器による楽曲ですが、殊更安易な妥協的融合性はもたせず、両者ができるだけ個性の主張を行うことにより、従来の作品にみない独自性を与えようとした作品です。三絃は二上り、箏はやや変則的な平調子風調絃によって開始されますが、途中で三絃が本調子に転じ、箏もそれに対応した音高に転じてゆきます。(作曲者解説)

2014年9月、広島県神石郡神石高原町のやまなみホールで開催された「いちえの会コンサート vol.12」で帯名氏と共演。
二種の楽器が伝統的な邦楽とは異なる響きを奏でるこの曲は、風光明媚で星空の幻想的な神石高原の景色と調和し、私自身にとって心に残る演奏となった。

3.尺八・三絃二重奏曲「明鏡」(1975年)

尺八が胡弓に代わって三曲構成の一翼を担うようになってから既に久しく、今では一般的に、尺八の合奏は箏曲系の楽器や奏者によるものが最も自然で、且つ、融合しやすいと考えられているようです。正にその通りであろうかとも思われますが、翻って、尺八本曲、就中、琴古流系の演奏に想いを致す時、その間合いや呼吸法には、長唄を含む三味線音楽のそれと極めて相似するものがあり、そこに新しい組合せの可能性を感取することが出来ます。(作曲者解説)

2007年9月の「いちえの会コンサート vol.5」で夕山氏と共演。
これまで、田辺洌山氏、坂田梁山氏、同じ日本音楽集団所属の米澤浩氏など、名だたる尺八奏者の方々とご一緒させていただいた、貴重なレパートリーの一曲。

4.三曲「待春」(1984年)

気象庁の気象観測開始以来と云われる降雪回数と積雪量。いつまでたっても防寒具を片づけられない寒い日の連続。今年くらい暦の上ばかりでなく、実際に暖かい春の日の訪れが待ち遠しかったことは嘗てない。
そんな心の深奥に先づ三絃が鳴りはじめ、箏がこれに協和し、やがて尺八も加わって遂に一曲の体を成すにいたった。春を待ちのぞむ心から生まれた作品、即ち[待春]である。(作曲者解説)

コロナ禍で中止となった今年9月の「いちえの会コンサート vol.18」予定演目。
作曲は昭和59年4月。前年末から翌年3月にかけて記録的な豪雪となり、後に「五九豪雪」とも呼ばれた。暖冬傾向の近年では考えられないが、この年は東京都内でも29回の降雪を観測し、最大92cmの積雪を記録。サクラの開花が4月中旬という非常に遅い春であった。
今、コロナ明けを待つ我々の心情は、「待春」そのものである。
吾妻颪という寒風が、通学する自転車に容赦なく吹き付ける郷里、福島において、春を心待ちにしていた頃が思い出される。

新型コロナウイルス感染拡大対策

緊急事態宣言が解除となったばかりの6月6日、グループレッスン再開の会場として代々木上原「ムジカーザ」をお借りしました。「ムジカーザ」さんも5月末までは全て休業、この日は翌日から始まるコンサートに向けて、アクリルシートの設置など、さまざまな感染防止対策を工夫されているところでした。感染拡大防止のためにあらゆる手段を尽くして対応されているスタッフの方々を拝見し、この会場であれば、お客様に安心してご来場いただける公演が実施できるとの確信が持てました。

コンサートの開催にあたっては、何より楽しい音楽をお届けすることはもちろん、感染の不安が一切なく、安心してご観覧いただけることを第一に、十分な感染対策を実施いたします。

下図は、周囲1.5mソーシャルディスタンスを確保した、客席のレイアウト図になります。図中の客席配置から、さらに8席を減らし、25席とすることで、安心して演奏をお聴きいただきます。

さらに、ムジカーザでは、以下の感染対策を徹底しています。

◆施設側の対策

 新型コロナウイルス感染拡大防止について、関連のガイドラインも踏まえ、政府・東京都等関係諸機関から最新情報の収集に努めるとともに細心の注意を払い感染症対策を講じ、また館内衛生の維持に努めております。

(1)スタッフは毎日検温を実施し、健康状態を確認します。また、手洗い、手指消毒、うがいを徹底します。
(2)原則として、スタッフはマスクを着用します。
(3)ロビー受付・クロークカウンターには、飛沫感染防止用のビニールシートを設置します。
(4)館出入口、トイレなどに消毒液を設置します。
(5)館内清掃、消毒、換気を徹底します。
(6)フィジカル・ディスタンス(身体的距離)確保のため、案内表示等 注意喚起します。

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